2024年1月以降に新規上場の承認が発表される上場株式等では、以下のように英大文字を組み入れた証券コードが利用されるようになったのはご存知のことと思います。
英大文字組み入れ証券コードの例 130A(㈱Veritas In Silico)
(参考)従来の数字4桁の証券コードの例 8697(㈱日本取引所グループ)
そして英文字を組み入れた証券コードについては、以下のようなルールが設けられています。
①2023年までに既に設定されている、数字のみの証券コードは変更しない
②英文字組み入れコードは、「130A」から順番に付番する(2024年1月承認分から開始)
③使用できる英文字は19文字(「B」、「E」、「I」、「O」、「Q」、「V」、「Z」は使用しない)
④まず証券コードの4桁目を英文字とし、4桁目のみが英文字の証券コードを全て使用した場合は、2桁目のみ英文字の証券コードを「1A00」から付番する 他
(注)ルールの詳細は、以下をご参照ください。
https://www.jpx.co.jp/sicc/code-pr/index.html
よくよく考えてみると、上記①のルールがあることから、「証券コードへの英文字組み入れ」はIPOとつながりの深い制度といえます。
そこで今回は、「証券コードへの英文字組み入れ」に関するクイズを作ってみました。
簡単ですし、上場審査とも無関係ですので、気軽に「○」または「×」でお答えください。
【問題編】
第1問 現在、数字のみの証券コードのうち最も若い番号は1301(㈱極洋)、英文字組入の証券コードで最も若い番号は130A(㈱Veritas In Silico)ですが、会社四季報では「130A」が「1301」より前に掲載されている。
第2問 「4桁目のみが英文字のコードを使い切るまでには約100年かかる」という試算が存在する。
第3問 2023年12月に上場廃止となった㈱東芝(6502)が、今後再上場する場合、証券コードは「6502」が引き継がれる。(ただし、再上場時の法人格は、上場廃止前の法人格と同じであるとする)
第4問 2023年までに上場承認(例:コード9809)が発表されたものの、その後上場中止となった会社が、2024年1月以降に再度上場承認される場合、証券コードは「9809」が引き継がれる。(再承認時の法人格は、最初の上場承認時と同じであるとする)
第5問 2024年に上場承認(例:コード999Y)が発表されたものの、その後上場中止となった会社が、再度上場承認される場合、証券コードは「999Y」が引き継がれる。
(再承認時の法人格は、最初の上場承認時と同じであるとする)
【解答編】
第1問 【×】 会社四季報(2024年2集 春号kindle版)で確認したところ、掲載順は、
1301、130A、1332・・・でした。したがって正解は【×】とします。
第2問 【○】 youtubeで公開されている動画「証券コード(株式固有名コード)への英文字の組入れについて」の22分あたりで、「現在の付番のペースで試算すると、4桁目のみが英文字のコードで100年くらい対応できる」という趣旨のコメントがあります。したがって正解は【○】とします。
第3問 【○】 資料 「「証券コードへの英文字組入れに関するWEB説明会」の質疑応答の内容」の質問5の回答として、
「・・・例えば、2024年1月以前に上場していた銘柄で、一旦、上場廃止になったものの2024年1月以降に再上場する場合などは、法人格が同じであれば、以前付番した数字のみのコードを使用します」とあります。
第4問 【×】 第3問のように、証券コードが引き継がれるためには、上場承認されただけでなく、上場した実績が必要だそうです。(証券コード協議会に確認しました)
たとえば、2023年の上場承認後に上場が中止となり、2024年に再度上場承認された㈱トライアルホールディングスの場合、2023年承認時の証券コードは「5882」、2024年再承認時の証券コードは「141A」となっています。
第5問 【×】 第4問と同じで「×」だそうです。
いったん証券コード「999Y」で上場承認された後に中止となった場合、「999Y」は欠番扱いとなり、以後の再承認時に別のコードが付番されるとのこと。
(注)2023年までの再承認の場合、以前の承認時と同じ証券コードとなる例しか見た記憶がありませんでしたが、どうもこれは、数字のみのコードの涸渇が近いため、例外的にコードを再利用していたようです。
(原田)