大手の歴史のある企業の不正(不祥事)が今年も続出しています。
大企業で最近は三菱電機、過去に遡ると神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レ、日立製作所などなど。消費者に身近なものでは、トヨタ系のレクサス高輪やネッツトヨタ愛知、SUBARU、日産、スズキなど自動車メーカーの品、検査不正等、レオパレス21の建築基準法違反などなど。
信用があるはずの名だたる大企業なのに過ちを起こしています。各企業の役職員は企業風土や人事考課制度などを損得勘定で考えた上で、上司や複数の役職員が状況を知ったうえで組織的に行われているケースもあるように思います。安全安心を期待している消費者や取引先からすると、裏切り行為であり許されるものではありません。
これらの事例は、そもそも法令・基準等が明確にあるので、まさか不正が行われているとは思ってもいないところで起こっています。違反すれば誰かに気付かれてしまう可能性の高い事項だから有り得ないと。不正を起こした本人は気付いているのですから意図的行為です。会社としては再発防止策として組織的運営における牽制やチェック体制の見直しを行い改善し続けていくことになります。
さて、法令や基準等が明らかな場合は、体制の見直しで改善出来る余地があるでしょう。しかし、これらが明確でない場合はどうするか。例えば、弊社のようにIPOの準備支援のようなコンサル会社などです。IPO時にはクリアーすべき基準は大きくは2つの側面があります。一つは形式基準、もう一つは審査基準です。
形式基準は明確な数値等がありますので、誰もが統一した目線でチェックできます。一方、審査基準は明確な基準が無い部分があります。例えば、審査書類の作成に絶対的な基準はありません。また、管理手法等も絶対的なものはありません。さらに、時代の流れで目線も判断基準も違ってきますので、審査動向を知っておくことも重要です。
やっかいなのは、IPOのコンサルの中には審査基準を明確に知らないが故に、誤った指導に気付か無いケースがあることです。意図的では無いのです!さらにやっかいなのは、指導を受けているIPO準備会社の方々も知識が豊富でないことが多く、誤った指導や作業であると気付かないことです。気付いた時は、既に間違った作業に時間をかけ、さらに多くの時間をかけて修正することになります。
IPOコンサルの作業範囲は広く業務量も多い為、経験が浅いコンサルタントの行った指導を経験の積んだコンサルタントが全てのチェックをすることは不可能でしょう。また、全てのチェックをすると時間に間に合わないことや、非効率な面が出て、結果、準備会社に迷惑がかかることになります。(トヨタの例ではここが問題でした。)
弊社のコンサルタントは、経験の積んだIPOコンサルだけで構成しており、私自身も進捗についてチェックしながら誤りが無いように努めています。また、IPO審査を熟知している皆だから正確に最新情報を入手して、指導に誤りが無いようにしています。
法令や基準が無い分野においても、知らないだけでは済まされないことを肝に銘じ、信用を頂けるように活動して参りたいと思います。
(鈴木)