元号が「令和」に改まってから、そろそろ2ヶ月になります。
30年以上「平成」に接してきましたが、それでも「令和」に慣れるのにそれほど時間はかかりませんでした。元号に用いられる漢字の基準には、「書きやすいこと」「読みやすいこと」が含まれていると聞いたことがありますが、その効果もあると思います。
上場準備の仕事をしていると、法律や専門用語に接することが多いからか、元号とは逆に「読みにくい」漢字に出会うことも多いです。
今回は、個人的に「見るたびに居心地が悪くなる漢字」をいくつか取り上げてみようと思います。
【懈怠】(けたい?)
私はこの言葉は、「取締役の任務懈怠責任」という文脈でしか使ったことがありません。初めて覚えた時に【任務懈怠】は「にんむけたい」と読むと教わりました。ただ、調べてみると法律の専門家は【懈怠】を「かいたい」と読むのが基本らしく、手許の法律用語辞典には、【懈怠】は「かいたい。けたいとも読む」と出ています。
もっとも、【任務懈怠】を「にんむかいたい」と読むのかとなると、調べてもよくわかりませんでした。弁護士の先生に軽く聞いてみたところ、「にんむかいたい」は聞いたことがないとのことでした。
【続柄】(つづきがら)
この言葉は、日常生活でもよく使います。上場準備の現場では、関連当事者の調査票の「役員との関係」欄に「個人は続柄を記載する」とあったりします。
読み方は「つづきがら」で、「ぞくがら」は慣用読みとされていますが、「ぞくがら」と読む方も多く、言葉に出して説明する必要があるときに、どう読もうか少し迷います。
【稟議】(りんぎ?)
上場準備の現場では、「稟議決裁基準の確認」「事後稟議の有無」など、非常によく使う言葉です。手許の広辞苑には、読み方は「ひんぎ」で「りんぎ」は慣用読みとあります。
とはいえ、MTGで【稟議】を「ひんぎ」と読めば、一瞬で変な空気になりそうなのでチャレンジしたことはありません。
(番外編)
キーボードの記号【~】【~】
ずいぶん前に、何かの雑誌で「キーボードの記号を言葉でどう説明するか」というアンケート調査がありました。
(例)【!】→「エクスクラメーションマーク」、「感嘆符」、「びっくりマーク」など
記号【~】【~】の名前は「tilde(チルダ)」ですが、調査結果は圧倒的に「にょろ」でした。
ただし、上場準備の現場で「にょろ」を説明する機会は、まずないと思います。
(原田)