おかげさまで設立20周年を迎えました。
代表取締役社長
鈴木 博司
弊社は本年10月1日を持ちまして設立20周年を迎えました。これもひとえに皆様のご支援、ご愛顧の賜物と心から感謝いたしております。
前身の設立は1997年でした。この年の金融業界は波乱の年で秋口より三洋証券の倒産に始まり、山一證券の自主廃業、北海道拓殖銀行の倒産が相次ぎ日本経済混乱の幕開けとなりました。その後この20年間のIPOを取り巻く情勢は大きく変化し、当社も巻き込まれた時期がありました。
新興市場の誕生は大きなトピックです(取引所の変遷は下記に概要をまとめました)。新興市場の開設後の2000年初頭は市場を利用した成長スキームが軌道に乗り、ITブームが到来しました。しかし、ITブームも短期間でバブルが崩壊し、弊社のIT関係のクライアントも倒産や上場中止に追い込まれてクライアントが減少しました。次はバイオベンチャーのバブルともいえる時期が到来しましたが、バブルが去ってクライアントが減少しました。続いてリーマンショックの到来です。2009年と2010年のIPO上場社数は各19社、22社と激減しました。IPOコンサルタントも仕事が激減し、証券会社もIPO関係部署の人員を大幅に減らしていきました。時を経て2014年からは70社を超えるIPO上場社数となり、今年の予想としては100社を超えると思われるところまで回復してきました。
一方、上場審査の観点からは、新興市場の誕生によりそれまでの上場基準や審査のルールなどが激変して来ました。また、上場審査に関連する各種法令等も大きく変化してきました。連結決算が中心になり、また、JSOX、コーポレートガバナンスコードの導入や反社会勢力、労務管理(労働時間、パワハラなど)、など社会的なテーマも上場審査では大きく取り上げられるようになりました。
上場審査が変化する中でもここ数年はIPO上場社数が増加しています。しかし、東京証券取引所が上場承認を公に発表した後にも、上場延期または中止を余儀なくされた会社も増えています。公にはなっていませんが、弊社に入っている情報では、東京証券取引所の審査中や主幹事証券会社の審査中及び審査入り前の準備中にも延期、中止を余儀なくされた会社は相当数に上っているようです。IPOを目の前にしての延期、中止は準備会社に大きなダメージを与えます。社内混乱を起こし、本業に集中できる環境ではなくなり、成長阻害要因になってしまいます。弊社はこのような事態を見過ごすことは出来ません。
上場準備においては、各種整備の検討に際して、分野が広く専門的な部分も多いため、準備会社は、どの部分を、どの人にアドバイスをもらうのかで迷うことが多いと思います。普通のIPOコンサル会社や個人のコンサルタントの方々では、これだけの変化に対応出来るような環境では無くなってきています。
こんな時だからこそ弊社の出番です。弊社は今までどこにもいないような優秀な役職員に恵まれてきました。これからも業界一の知識と経験を活用し、Only Oneのサービス内容を提供して参ります。そして、Number Oneのクオリティーの高いサービスを提供することにより、上場準備会社であるクライアント様はもちろん、IPO業界関係者の皆様にも喜んで頂けるように今後も活動して参ります。
今後ともより一層のご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
(参考)
取引所関係の開設、統廃合の概要
(1998年10月 ラルク設立)
1999年11月 東京証券取引所がマザーズを開設
2000年05月 大阪証券取引所が米国ナスダックとの業務提携によりナスダックジャパンを開設
2002年12月 ナスダックジャパンが消滅しヘラクレスとして引き継がれる
2004年12月 変遷を得てジャスダック証券取引所が発足
2010年04月 ジャスダック証券取引所が大阪証券取引所に吸収される
同 年 10月 ジャスダック、ヘラクレス、NEOの3市場が統合されて新ジャスダックの開設
2013年01月 日本取引所グループとして、東京証券取引所と大阪証券取引所が経営統合(現在はこれらの市場 は全て日本取引所グループになっています)
各取引所のルールは、新設、統合時だけでなく、それ以外の時も変化し続けています。
また、この間、商法から会社法への変化や証券取引法から金融商品取引法への変化し、会計監査関係も財務諸表等の規則、監査基準などの変化だけでなく、それまでの単体から連結決算が中心、セグメント開示もマネジメントアプローチになるなど常に変化し続けています。
(鈴木)