【鈴木】企業不祥事と業界の問題

ネットで企業による犯罪を検索すると、多くの不祥事リストなどを調べることが出来ます。今年に入ってから最近だけでも日産自動車、神戸製鋼所、ここに来て、スバルも日産と同様の不正があったことなどが話題になっています。

 

上場企業であるために、コーポレートガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令順守)を重視しないといけませんが、株主を意識して業績を向上させることに重点を置きすぎてプレッシャーが大きい側面もあるでしょう。しかし、未上場の会社でも多くの不祥事がありますので、単に上場会社だけの固有の問題ではないと言う見方も出来るでしょう。では、何が問題なのでしょうか。

 

最近発覚した日産、スバル、神戸製鋼所の不正は数十年も続いていたと言う事です。少なくとも現場レベルでは気付いていたのでしょう。しかし、社長やトップの方々は知らなかったとのことです。本当でしょうか?

現場の方々は自分の立場を維持するために判断したのでしょう。これが、組織となると上司の意向を考えながら判断するようになります。上司はその上の上司の意向を考えます。結局、それぞれが状況に応じて自分の立場を考えて判断するでしょう。では、取締役や経営層になるとどうでしょうか。基本は同様の背景があるのだと思いますが、従業員と違うところは、他社も同じだろうと考えて問題はないとする。さらに、業界のことも考えて判断する。すなわち、業界にとって良くない可能性があると思いつつ、必要悪であり、仕方がないので事を大きくしない方が良いと考え問題をあやふやにしてしまう。それが慣行化すると、その内、疑問を持つ感性が無くなってしまうのかも知れません。

 

弊社(ラルク)は、IPOと言う分野で活動しています。この分野は特殊ではないかと思います。関係者としては、証券会社、監査法人、取引所、その他です。

証券会社は、IPO希望会社を発掘し主幹事獲得活動を行います。さらに、準備会社の指導を行い、上場を推薦するための審査を行い、ファイナンス活動(株式の販売)も引き受けます。監査法人はIPO希望会社の上場に向けての監査指導を行い、監査証明を出せる体制確認を行います。取引所はIPOへの勧誘を行い、IPOの最終審査を行います。ちなみに弊社ラルクは、よりIPO準備会社側に立ち、より実務支援を行います。

ラルクはこの分野に特化して20年目に入りました。どっぷり浸かっています。過去にはいろんな問題点について指摘してまいりましたが、上場をするためのプロセスである指導や審査のあり方に慣れてしまい、客観的に問題点が分からなくなっていないか冷静に考える必要があるかも知れません。

 

さて、この業界で問題がある場合に損害を被るのは誰なのかです。まず思いつくのは投資家です。他には、IPO準備プロセスを知らない方には想像がつかないと思いますが、実はIPO準備会社にも多大な損害が生じると思っています。(詳細は省略します。)弊社ラルク自体の事であれば改善できる可能性はあります。証券業界、監査法人業界、取引所の方々も問題意識を持っていると思いますので、常に改善に努めなければなりません。

もし、ラルクがそれぞれの業界に対して問題や疑問を持った場合、これらの巨大企業の業界の方々にラルクが何か主張したいとしたら聞く耳を持ってくれるでしょうか。この分野で特徴的なのは業界と言っても、大手証券会社、大手監査法人が独占していることです。同様に、取引所の実態はほぼ東京一極集中独占市場です。ラルクなどの力が及ばない可能性が大です。

 

それはともかく、まずは、問題を認識することから始めなければなりません。皆様の中で、特にIPOの分野をある程度理解している方やIPO準備経験のある方の中で、改善点などの考えをお持ちの方は弊社にお教え下さい。弊社ラルクの力は小さくても、何事も積み重ねることを大切にして参りたいと思います。より良い資本市場業界にするために。

 

鈴木

IPO状況11月15日現在

2024IPO数(予定含む)=77社【1社】*

2023IPO数(通期)=96*

 

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

4【1】*

11

58

1

0

3

1

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 3 1

合計

  81【1】

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。また、【 】は、S-1方式による上場承認前の社数であり外数で記載しています。 

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株式会社ラルク

 

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 日本証券業協会

 東京証券取引所

 国民生活センター

 東京都消費生活総合センター

また、現在、世界中で「コールド・コーリング(Cold Calling)」と呼ばれる詐欺的な証券投資勧誘行為も行われております のでご注意願います。  

過年度のIPO状況

2023IPO(通期)=96*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

 

2022IPO数=91

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

1

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。