皆さんは新規上場会社の目論見書を読まれたことはありますでしょうか。
新規上場会社の目論見書は、新規上場時の株式の募集や売出しのために、その会社の事業等に関する説明を記載する冊子です(金融商品取引法第2条第10項)。
専門的な用語が多く、取っ付きにくい内容の書面なのですが、上場で調達した資金の使いみちや証券会社の手数料率、上場間際の株主や株価の変遷等も読み取ることができ味わい深い?内容となっています。
ところで新規上場会社の株式を販売する証券会社は、この目論見書を投資家に交付することが義務付けられています。単に交付が義務付けられているだけでなく、目論見書の開示内容について使用者責任という責任も負っています(金融商品取引法第17条)。簡単に言うと目論見書の記載内容に虚偽の記載があり、それによって投資家が損害を被った場合には、その目論見書を使って株式を販売した証券会社も損害賠償請求を受ける可能性があるという責任です。
このような責任がありますから、新規上場会社の株式を販売しようとする証券会社、特に主幹事と呼ばれる株式上場の中心的な役割を担う証券会社は、目論見書の内容を事前にしっかりとチェックしています。数値等に関してはコンフォートレターという実務も存在しています。
しかし、チェックするといってもその裏付けとなる資料の信憑性が伴わない場合には、証券会社は恐くてその会社の株式を販売する気になれないでしょう。また、株式売買の場を提供する証券取引所も開示内容の信憑性が乏しい会社の株式を場に提供してしまっては投資家からの信頼を失うことにつながりますから上場を認めることはできません。
こういった事情から、新規上場を目指す会社は、開示や説明を求められる多岐の項目について、証券会社や取引所に対し、書面での裏付けを示しつつロジカルに説明できる体制を構築する必要があります。
「上場準備」という言葉には例えばこのような行間が存在します。
私たちはこれらの理路を意識しつつクライアント様と共に日々歩を進めております。
桜から新緑へと心地良い息吹を感じつつ、ふとこんなことを書いてみました。
(加藤)
2024年IPO数(予定含む)=87【-】社*
2023年IPO数(通期)=96社*
市場別 |
2024年 (含予定) |
2023年 (参考) |
プライム スタンダード グロース メイン-名 札幌(本則) ネクスト-名 アンビシャス |
5【-】* 13 64 1 0 4 1 |
2 23 66 5 1 1 0 |
Qボード | 3 | 1 |
合計 |
91【-】* |
99* |
*複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。また、【 】は、S-1方式による上場承認前の社数であり外数で記載しています。
過去分はメンバー紹介ページの各メンバーのブログ欄をご参照ください。
【ご注意ください】
当社の社名を名乗った振込詐欺行為が確認されております。当社が個人に対して振込請求を行うことは、有料サービスの提供等、お客様からのお申込みやご依頼に基づくものを除きございませんので、ご注意願います。
(ご参考窓口)
また、現在、世界中で「コールド・コーリング(Cold Calling)」と呼ばれる詐欺的な証券投資勧誘行為も行われております のでご注意願います。
2023年IPO数(通期)=96社*
市場別 |
2023年 |
2022年 (参考) |
プライム スタンダード グロース メイン-名 札幌(本則) ネクスト-名 アンビシャス |
2 23 66 5 1 1 0 |
3※1 14※2 70※3 2 0 2 1 |
Qボード | 1 | 0 |
合計 |
99* |
92* |
*複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。
※1:東証1部1社を含みます。
※2:東証2部+JQ4社を含みます。
※3:マザーズ10社を含みます。
2022年IPO数=91社*
市場別 |
2022年
|
2021年 (参考) |
プライム スタンダード グロース 東証1 |
2 10 60 1 |
- - - 6 |
東証2 |
3 |
8 |
マザーズ |
10 |
93 |
JASDAQ メイン-名 |
1 2 |
16 - |
名証2 |
0 |
3 |
ネクスト-名 セントレックス |
2 0 |
- 1 |
Qボード アンビシャス |
0 1 |
3 - |
合計 |
92* |
130* |
*複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。