記載すべき子会社とは、東京証券取引所の「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅱの部)」(以下「Ⅱの部」といいます)を作成する際に使用される用語で、「総資産、純資産、売上高、利益のいずれかの項目が、金額的に重要であるため、Ⅱの部の特定の項目に必要情報を記載すべき子会社」のことをいいます。
東京証券取引所はⅡの部の記載要領において、記載すべき子会社を以下のように定義しています。
(Ⅱの部の記載対象会社(範囲))
Ⅱの部は上場審査のための中心的な資料で、上場申請会社(グループ)に関する事業内容、組織、業界動向、過去の業績及び今後の見通し等、広範な内容について詳細な記載が求められます。特に上場申請会社が子会社、関連会社を持つ場合は記載内容が非常に多く、複雑になります。そこでⅡの部の記載要領では、記載項目ごとの記載対象会社(範囲)を定めています。「記載すべき子会社」も、このような記載対象会社(範囲)を規定するための用語の1つです。Ⅱの部を作成する際には、申請会社グループのどの会社について記載するかについて、事前に主幹事証券や監査法人と協議し、十分に確認しておく必要があります。
(参考)東京証券取引所「Ⅱの部」記載対象会社(範囲)及び記載項目の例
記載対象会社(範囲)の例 |
記載項目の例 |
申請会社について記載 |
設立の経緯、組織図、大株主について等 |
申請会社及び記載すべき子会社について記載 |
事務フロー、店舗展開基準、仕入先の選定方法等、外注生産に関する事項、販売に関する事項、資金の調達及び運用の方針等、その他 |
企業グループについて記載 |
企業グループの変遷、経営方針、企業グループ各社間における出資比率・取引関係 等 |
企業集団について記載 |
内部監査に関する基本方針、適時開示手続き、中・長期利益計画、年度利益計画の立案方法等 |
申請会社及び連結子会社について記載 |
最近5年間における合併等、出向者の状況、最近3年間及び申請事業年度における労働基準監督署からの調査の状況等 |
(注1)企業グループ:会社並びにその子会社及び関連会社をいいます。
(注2)企業集団:連結財務諸表規則第4 条第1 項第1 号に規定する「企業集団」をいいます。