金融商品取引法 第163条 第1項の「主要株主」とは、「自己又は他人(仮設人を含む。)の名義をもつて総株主等の議決権の百分の十以上の議決権(信託業を営む者が信託財産として所有する株式等を除く)を保有している株主をいいます。(金融商品取引法 第163条 第1項、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令 第24条 第1項)
(主要株主の株式の売買等に関する規制)
上場会社等の主要株主は、一般株主と比較すると会社の秘密を入手しやすい立場にあります。
そのため、主要株主がその地位により入手した秘密を不当に利用することを防止するため、主要株主による当該会社の株式等の売買に関しては、一定の規制が設けられています。
① 売買等の報告の提出
上場会社等の役員及び主要株主は、当該上場会社等の株式等の売買等を行った場合には、その売買等について財務局等に報告書を提出しなければなりません。(売買等を金融商品取引業者等をとおして行った場合は、金融商品取引業者等を経由して報告します)(金融商品取引法 第163条、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令 第29条)
② 短期売買利益の返還
上場会社等の役員または主要株主が、当該上場会社等の株式等を買付け(または売付け)、6か月以内に反対売買をして利益を得た場合には、当該上場会社等は、その利益を提供すべきことを請求することができます。(金融商品取引法 第164条)
③ 空売りの禁止
上場会社等の役員または主要株主は、保有する額を超えて当該上場会社等の株式等の売り付け(空売り)を行うことはできません。(金融商品取引法 第165条)
(臨時報告書の提出)
有価証券報告書提出会社の主要株主に異動(注)があった場合には、会社は臨時報告書を提出します。(企業内容等の開示に関する内閣府令 第19条 第2項 第4号)
(注)当該提出会社の主要株主であった者が主要株主でなくなること、または主要株主でなかった者が当該提出会社の主要株主になること
関連項目:内部者取引、重要事実、バスケット条項、大株主、臨時報告書、支配株主等